WEBVTT 00:00:02.540 --> 00:00:14.080 [音楽] 00:00:17.260 --> 00:00:21.040 アクセシビリティと ユニバーサルデザインを 00:00:21.050 --> 00:00:22.859 教育課程に取り入れれば 00:00:22.859 --> 00:00:26.039 すべての工学生が 00:00:26.039 --> 00:00:29.650 障碍者の視点とニーズを学ぶことができます 00:00:29.650 --> 00:00:36.670 これは障碍者向けかどうかに関係なく すべてのデザインに必要な視点です 00:00:37.540 --> 00:00:41.260 新しいエンジニアを育てることが重要です 00:00:41.260 --> 00:00:44.930 ユニバーサルデザインと アクセシビリティを熟知した人材です 00:00:44.930 --> 00:00:48.630 そうすれば企業で製品開発に 携わったときに 00:00:48.630 --> 00:00:52.050 障碍者だけでなく 00:00:52.050 --> 00:00:55.240 すべての人に使いやすい製品を 作ることができます 00:00:56.750 --> 00:01:00.550 テクノロジーを活用するクリエーターとして 00:01:00.550 --> 00:01:07.639 多様なエンドユーザーのニーズに 応える責任があります 00:01:07.639 --> 00:01:10.600 ユニバーサルデザインと 関連フレームワーク―― 00:01:10.600 --> 00:01:13.820 たとえばインクルーシブデザインや アビリティベースデザインや 00:01:13.820 --> 00:01:16.020 人間中心デザインでは 00:01:16.020 --> 00:01:21.810 多様なユーザーの能力をあらかじめ 考慮に入れることが推奨されます 00:01:21.810 --> 00:01:24.650 ユニバーサルデザインとは何か 00:01:24.650 --> 00:01:28.720 ノースカロライナ州立大学の デザインセンターはこう定義しています 00:01:38.580 --> 00:01:41.440 ユニバーサルデザインでは 00:01:41.450 --> 00:01:45.380 ユーザーに関するあらゆる前提に 疑問を持つ必要があります 00:01:45.380 --> 00:01:47.560 このコンセプトを学んだ工学生は 00:01:47.560 --> 00:01:51.829 多様なユーザーのことを考えられる デザイナーになります 00:01:53.339 --> 00:01:56.829 そのため我々は安全性と 00:01:56.829 --> 00:02:01.909 材料特性と力学を教える 工学のカリキュラムに 00:02:01.909 --> 00:02:05.130 ユニバーサルデザインを組み込んで 00:02:05.130 --> 00:02:10.380 小さなデザインの工夫や 幅広いユーザーのことを考えられる 00:02:10.380 --> 00:02:13.160 未来のエンジニアを育てています 00:02:13.640 --> 00:02:18.810 "これはアクセシブルか?" "アクセシビリティとは何か?" 00:02:18.810 --> 00:02:25.019 そう問い続けるのが エンジニアのあるべき姿勢です 00:02:25.019 --> 00:02:28.920 エンジニアのBilly Priceは 00:02:28.920 --> 00:02:32.739 四肢麻痺患者である自分の体験から 新しい靴をデザインしました 00:02:32.739 --> 00:02:35.900 これはユニバーサルデザインの好例です 00:02:37.350 --> 00:02:41.459 私は靴紐を結べません 00:02:41.459 --> 00:02:44.040 靴紐の代わりに 00:02:44.040 --> 00:02:51.010 面ファスナーを使うことは可能ですが その問題をクリアしても 00:02:51.010 --> 00:02:55.560 足を靴に入れることが困難でした 00:02:55.560 --> 00:03:01.459 そのため18年間 つまり人生の半分は 00:03:01.459 --> 00:03:07.019 靴をはかずに過ごしました 何か方法があるはずだと思っていました 00:03:07.019 --> 00:03:12.580 私達が作った靴はバリアフリーの 特徴を持っていましたが 00:03:12.580 --> 00:03:16.099 バリアフリーを売りにはしませんでした 00:03:16.099 --> 00:03:19.120 ただスマートで 誰もがほしがる靴です 00:03:19.120 --> 00:03:23.720 一般の店舗に並べられ 誰でも購入できます 00:03:23.730 --> 00:03:25.920 この靴のファスナー部分は独特で 00:03:25.920 --> 00:03:28.560 靴の外側についていて 00:03:28.560 --> 00:03:31.730 二枚貝のように開きます 00:03:31.730 --> 00:03:35.510 ユニバーサルデザインの可能性は 00:03:35.510 --> 00:03:38.420 さまざまな消費者向け製品に広がり 00:03:38.420 --> 00:03:41.689 そこでエンジニアの力が必要になります 00:03:41.689 --> 00:03:43.660 多様なニーズに応えて 00:03:43.660 --> 00:03:48.099 障碍者と一般の人の 生活の質を向上させます 00:03:48.099 --> 00:03:50.130 工学分野の教育者は 00:03:50.130 --> 00:03:52.090 学生にバリアフリーの視点を 持たせるために 00:03:52.090 --> 00:03:57.010 アクセシビリティとユニバーサルデザイン の話題を取り入れる必要があります 00:03:59.180 --> 00:04:02.000 講義の一部の時間を使ってもいいですし 00:04:02.000 --> 00:04:07.129 1回または数回の講義を この話題にあててもいい 00:04:07.129 --> 00:04:10.130 あるいは丸々1つの講座を 00:04:10.130 --> 00:04:12.850 アクセシビリティとユニバーサルデザインに あてる方法もあります 00:04:12.850 --> 00:04:16.030 講座でデザインの課題に取り組むときは 00:04:16.030 --> 00:04:21.600 たとえば高齢で関節炎を持つ人が 00:04:21.600 --> 00:04:23.900 この製品を使ったらどうなるか 00:04:23.900 --> 00:04:28.630 妊婦がこれを使ったらどうなるかを考えます 00:04:28.630 --> 00:04:30.770 いろいろな質問を投げかけます 00:04:30.770 --> 00:04:33.230 もし色覚異常の人がこれを使ったら? 00:04:33.230 --> 00:04:36.270 より広い集団を考えます 00:04:36.270 --> 00:04:40.289 これはユニバーサルデザインの 思考を取り入れる手軽な方法で 00:04:40.289 --> 00:04:48.660 広く使われる製品を作るために 必要な視点です 00:04:48.660 --> 00:04:51.589 ワシントン大学の Terrill Thompsonは 00:04:51.589 --> 00:04:54.610 高校生向けのWebデザイン講座を作り 00:04:54.610 --> 00:04:59.029 アクセシビリティとデザインの基本を 教えています 00:04:59.949 --> 00:05:06.809 Webページのコーディングについて 00:05:06.809 --> 00:05:11.080 HTML CSS JavaScriptなど さまざまな言語を学びますが 00:05:11.080 --> 00:05:16.360 ごく最初の段階で デザインの基本原則の1つとして 00:05:16.360 --> 00:05:20.320 アクセシブルデザインの必要性を学びます 00:05:20.320 --> 00:05:25.710 さらに障碍者がどうやって コンピューターやWebを利用するか 00:05:25.710 --> 00:05:28.440 そこでどういう困難にぶつかるかを学びます 00:05:28.440 --> 00:05:31.820 講座で新しい技法を教わるときには 00:05:31.820 --> 00:05:35.220 こう自問することを学びます 00:05:35.220 --> 00:05:38.019 この技法はアクセシビリティに どう影響するか? 00:05:38.879 --> 00:05:42.900 教育者は他にも さまざまな方法で 障碍や 00:05:42.900 --> 00:05:46.100 アクセシビリティ ユニバーサルデザインを 教えています 00:05:46.680 --> 00:05:52.080 キャップストーンコースの目的は 00:05:52.080 --> 00:05:57.399 学んだスキルを実社会の状況に 適用することです 00:05:57.399 --> 00:06:01.010 これは学生にとって 00:06:01.010 --> 00:06:06.380 アクセシビリティと ユニバーサルデザインを 00:06:06.380 --> 00:06:09.470 実社会の問題に適用する絶好の機会です 00:06:09.470 --> 00:06:13.990 大学で学んだスキルを 実践に活かす機会でもあります 00:06:13.990 --> 00:06:17.140 私が担当する上級デザイン講座は 00:06:17.140 --> 00:06:20.260 工学生向けの人気のある通年講座で 00:06:20.260 --> 00:06:23.459 学部の最終学年にあり 00:06:23.459 --> 00:06:28.749 自然な形でアクセシビリティと ユニバーサルデザインの話題を結び付けます 00:06:28.749 --> 00:06:33.529 学生への課題は 電動スケートボードのデザインから 00:06:33.529 --> 00:06:39.830 気胸を防ぐ新しい医療機器の 考案までさまざまです 00:06:39.830 --> 00:06:43.570 どの場合もユニバーサルデザインの 要素が入ってきます 00:06:43.570 --> 00:06:48.660 多様なユーザーに対する ユーザーテストを行いますが 00:06:48.660 --> 00:06:51.459 設計を少し変えるだけで 00:06:51.459 --> 00:06:55.020 アクセスのしやすさや 使いやすさが向上します 00:06:55.020 --> 00:06:56.870 デザインの微調整によって 00:06:56.870 --> 00:06:59.620 視覚障碍のある人や 00:06:59.620 --> 00:07:02.340 手先が不自由な人だけでなく 00:07:02.340 --> 00:07:06.400 すべての人に使いやすい デザインになることはよくあります 00:07:06.400 --> 00:07:10.580 ユニバーサルデザインを学科に 取り入れているはそのためです 00:07:10.580 --> 00:07:14.810 いろいろなデザインの余地を 探るようよう奨励して 00:07:14.810 --> 00:07:17.430 より良いデザインに仕上げます 00:07:18.310 --> 00:07:21.880 私はバイオメカニクスの講座を教えていて 00:07:21.880 --> 00:07:27.460 線形運動量と角運動量を説明する際に 00:07:27.460 --> 00:07:34.080 運動量をどう使って腕を振り上げ 00:07:34.080 --> 00:07:37.900 車椅子のジョイスティックに乗せるかを 実演してみせます 00:07:37.900 --> 00:07:44.389 具体的な例を講座に 取り入れるようにしています 00:07:45.189 --> 00:07:49.849 学生が実際に障碍者とやり取りするのは 00:07:49.849 --> 00:07:52.730 非常にいい学習機会です 00:07:53.620 --> 00:08:00.089 学生は直接の対話を通じて 00:08:00.089 --> 00:08:04.990 アクセシビリティや障碍や 社会的意味について多くを学びます 00:08:04.990 --> 00:08:09.880 大学での ユニバーサルデザイン教育によって 00:08:09.880 --> 00:08:14.450 厳しい就職戦線を勝ち抜く エンジニアが育ちます 00:08:14.450 --> 00:08:21.360 彼らは多様な人に広く使われる 製品を作り出すことができます 00:08:21.360 --> 00:08:27.330 講師はまず さまざまな障碍を持つ 人々と話す機会を作り 00:08:27.330 --> 00:08:30.160 学生にユニバーサルデザインについて 考えさせたり 00:08:30.160 --> 00:08:35.589 障碍にまつわる問題をデザインで 解決する方法を考えさせたりします 00:08:35.589 --> 00:08:38.260 さらにアクセシビリティ ガイドラインに沿った 00:08:38.260 --> 00:08:41.219 インターフェイスを作ることの 必要性を教えます 00:08:42.939 --> 00:08:51.460 アクセシブルな社会を イノベーションで実現しようとするならば 00:08:51.460 --> 00:08:57.000 ユニバーサルデザインとアクセシビリティを 学生に教える必要があります